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2012.04.17

「事実」と「意見」の違いを、学校が教えないから…

 只今鋭意構築中の『ディベートのStairs(階段)』が、4段目:「事実」と「意見」 まで公開されています。

 そもそも『ディベートのStairs(階段)』とは、1段1段学んでいくと、ディベートについて深く学べる、という“カリキュラム”を示しているものです。
 私も長年、多くのディベート初心者に触れ、また、様々な初心者研修会やディベート入門セミナーに参加して、ある程度、ディベートを教えるための順番が見えてきたのですが、この「事実」と「意見」は、全100段のうちの4段目として、ディベートについて多くを学び始める前に知ってもらいたい知識の筆頭です。

 更には、この“「事実」と「意見」の違い”を、学校が教えないから、大きな勘違いをしたまま育ってしまう子ども達を多く輩出してしまっていると思っています。

--- 確認:「事実」と「意見」--ー

★「事実」とは、証拠をあげて裏づけすることのできるもの
 ○「事実」には定義がある
  A:・自然に起こる事象
    ・自然法則
    ・過去に起こった、人間に関与した事件
  B:・Aに関することで、然るべきテキストや調査によって、
     それが真実であるか否かを客観的に確認できるもの
 ○ 「事実」の記述は2価=正しいか誤りかのどちらかしかない

★「意見」とは、何事かについてある人が下す判断
 ○他の人はその判断に同意するかもしれないし、同意しないかもしれない。
 (=「事実」とは違い、「人それぞれ」があり得る)
 ○「意見」の記述への評価は多価=複数の評価が並立・共存し得る

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 よく「学校は答えのあるものばかりを教える」という批判を聞きますが、学校で扱うことは、「事実」ばかりでしょうかねぇ?
 確かに「科学=Science」(←数学を含む)は、自然法則という“事実に分類されるもの”を教えますから、そもそも答えのあるものばかりが教科書に記載されています。

 ですが、例えば原子力技術の応用の是非など、科学技術についての人々の下す判断は、答えがなく、「人それぞれ」があり得ます。
 また、大学へ進学すれば急に、答えがないテーマを探求し、何かを見出す「研究」という活動が行われます。

 そのような話をする時に併せて、「事実」の範疇ではない(「事実」の定義に当てはまらない)ことが、この世の中には、世界の人口以上あることを、学校は教えておくべきです!

 ですが、例えば「数学や物理の問題は、解くこと自体、また解けること自体が面白い」という人はいますよね。本校の生徒にもいます。
 逆に言って「答えがわからない状態」は、ストレスになります。

 ところが「事実」と「意見」に立ち返れば、答えがあるもの(「事実」の定義に当てはまるもの)の方が少なく、そもそも答えがない=「事実」の定義に当てはまらないものが、世の中にはたくさんあるわけです。

 小・中・高校を卒業するときには、“そもそも答えがない”社会に飛び込んでいくのです。この社会を生きる段階で、答えがないことに不安になり、ストレスを抱えてしまって当然です。

 更にそもそも、「事実」の定義にあることは、全て“過去”のことです
 即ち、“未来の答えが、現在にあるわけがない”(神様ではない私たちは、未来のことを予言・予知できるはずがない)のです。
 学校に、子ども達一人一の将来についての答えを与えた上で卒業させる、なんてことは不可能です。

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 結論として、本来学校がすべきことは、「事実以外のことには、そもそも答えがないものなのですよ」と、社会の本質を教えて、社会に旅立たせることではないでしょうか?

 それを知る根本の“「事実」と「意見」の違いを教える”ことを、アメリカでは小学校5年で扱うそうです。(木下是雄著『理科系の作文技術』p.102)
 一方でそもそも、“「事実」と「意見」の違い”を扱う『言語技術(Language Arts)』("Arts"には要領やコツの意味もあります)という教科を、ご承知の通り、日本では扱いません

 それですもの、

  • 「意見」を「事実」と誤解したり…
  • 「私は○○をすべきである」という意見に、その根拠となる現状の事実を確認しなかったり…
  • 「僕は□□のことが嫌いだ」という意見に、「人それぞれですねぇ」と、正しい割り切りができなかったり…

多くの勘違いをしがちな日本人が多いですよねぇ

 何とか、その現状を打破するためにも、多くの教育現場でこのことに気づいてもらいたいと思っています。

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追伸:
 個人的には、ディベートをより望ましい形で普及させることで、今回主張したことを達成させたいと考えております。

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