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2008.08.29

【共通論題】東北からの推薦は1題

 【共通論題】の選定にあたり、東北支部側の議論の結果をお伝えします。

 まず、結論に至るまでの検討過程として、採用を避けた方がいいと判断した論題について説明します。

 最初に「メリットとデメリットのバランス」「話題がホットか」という観点に先んじて「地区として取り組むのに相応しいか?」という観点を優先させました。

 基本的に、中学生と高校生とで共通の論題ですので、中学生自らが議論を構築できないようであれば良い実践とはならず、地区“全体”で取り組みにくいだろう、という考えをベースに、論題選考の話し合いが進みました。

●「日本の中学・高校は~」という“主体”は避けた方がよいだろうと判断された論題
(地区“全体”としては取り組みにくいので、地区として取り組むには相応しくない、という判断)

オ 日本の中学・高校は掃除を業者に完全に託すべきである。
カ 日本の中学・高校は制服を廃止すべきである。

 各学校の価値観、すなわち「中学とはどうあるべきか」「高校とはどうあるべきか」というものに差があることから、議論がかみ合わない可能性があります。
 石巻市の中学校、という枠内であれば議論が可能でしょうし、その場合、ディベーター(中学生)は、自分の意見をそのまま言葉にできることが予想されることから、石巻市中学生ディベート大会の論題としては相応しい可能性がありますが、【共通論題】として、北海道・東北の中高生に対して共通の背景を持ってディベートをするには適していないのではないかと判断しました。

●中学生には、論題の対象を理解してディベートをすることが難しいだろうと判断した論題

ケ 日本は高速道路の通行料を無料化すべきである。

 プラン導入後の現状の変化について立証するのが、中学生及び中学生フォーマットでは難しいだろうと判断しました。

サ 日本の基礎年金は税方式に移行すべきである。(←国民年金のことです)

 まず、国民年金の制度、あり方を理解した上で、税方式に移行することの意味及びプラン後の良し悪しを議論することになるだろうと予想されるのですが、なぜ“税”方式なのか、そして判断基準となる望ましい国民年金のあり方を中学生が捉えきれないのではないか、と判断し、難易度が高すぎる論題と判断しました。

キ 日本は道路特定財源の暫定税率を廃止すべきである

 暫定税率として徴収しているお金の使われ方、プラン後の望ましい予算等の動きは、中学生には捉えきれないのではないか、と判断しました。
 加えて「暫定」だけ外した税制度にすれば論題を肯定できる、といった議論も考えられ、予想外の方向に議論が進む可能性も指摘されました。
(このあたりは、ワーディングや付帯事項にてカバーできるかもしれません)

●「税金」を扱った論題は中学生に難しいだろうと判断された論題。

ス 日本は消費税を10%に引き上げるべきである。
セ 日本はたばこ税を大幅に引き上げるべきである。

 現状の税制度の問題を、中学生が捉えられるのか、また、現状の問題をなぜ「税の値上げ」という方法で解決すべきなのか、を、中学生が論じるのは難しいだろうと判断されました。
 また、「税金」を扱った両論題に対して、増税の額の妥当性(なぜ10%なのか、なぜタバコ一箱当たり千円なのか)を判断するのが困難(額によっては、メリットとデメリットのバランスが崩れる)なのではないか、という意見が多数でした。

●「懲罰」を扱った論題は中学生には難しいだろうと判断された論題

ウ 日本は終身刑制度をを導入すべきである。
コ 日本は少年犯罪の加害者の実名報道を認めるべきである。

 終身刑制度は明らかに現在の国による懲罰制度の問題扱うものですが、実名報道も端的にいえば「現在の懲罰制度ではカバーできていない少年犯罪に関する問題に対して、マスコミの力を増大させる(スタンスとしてはマスコミによる懲罰を容認する)」というものです。
 それらの問題の解決に関してディベートをするには「適切な罰とは何か」という基準について考え、その上でプランの妥当性の是非を判断することになりますが、肯定側・否定側の双方の考えが一致せず、中学生では議論を噛み合わせることができずに試合が進行する可能性が高いだろうという考えに至りました。

価値で争うことが予想されるので避けた方が無難だと判断した論題

イ 日本は『赤ちゃんポスト』制度を積極導入すべきである。
シ 日本は国会を一院制にすべきである。

 プラン導入後に起こることは、比較的容易に想定されると考えられます。(『赤ちゃんポスト』に赤ちゃんを預けることや、国会の議決が他の議会(参議院)に回らないこと)
 するとその次に、そのことが容認されるべきか否かを判断するためには「日本がどうあるべきか」ということ、または「政府がどのような価値観をもってその政策の実施にあたるのか」という“価値の議論”が、ディベートの主たる論点になると思われます。
 ですが残念ながら、中学生が日本、及び政府の持つ“価値”を論じるには、学習段階的に(公民が中学3年)難しいのではないか、と判断しました。

以上の結果から残った論題が下記の3つとなりました。

ア 日本はサマータイム制を導入すべきである。
エ 日本はデポジット制度を導入すべきである。
ク 日本は救急車の利用を有料化すべきである。

 これら3つの論題が肯定的に捉えられたのは

  • プラン後の世界が論じやすく、判断しやすい。
     つまり、プランを実施したと想定した上で、ディベーターが述べた通りのことが起こるか否か、という“事実”が争点となり、聞き手(ジャッジ、及び準備をするディベーター)が判断しやすい。
  • メリットの重要性、デメリットの深刻性で挙げられる価値も分かりやすいと予想される。

という観点から、中学生でもディベートが成立するだろう、ということを主眼に選定しました。

 その中で、【共通論題】案として、メリット・デメリットのバランスという観点から消極的な意見が多かったのは「デポジット制度」、ホットさという観点から賛成であっても消極的だったのが「救急車」、でした。逆に、積極的に支持されたのは「サマータイム制」でした。

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 そこで今回、東北支部の側からは、積極的に支持された「サマータイム制」のみを、論題候補に加えることといたします。

<推薦論題>
「日本はサマータイム制を導入すべきである。是か非か」

 日の長い夏の間だけ、時計を1時間早く進める制度で、夏時間とも呼ばれます。
 今年行われた洞爺湖サミットに関連し、温暖化対策の一つとして、日本政府は法制化・完全導入に向けての検討を開始しています。
 過去にディベート甲子園でも行われている論題ではありますが、近年、北海道や岩手県奥州市など、試験的な取り組みが国内で行われており、海外の資料だけではなく、国内実績に基づいた新しい議論が期待されます。

メリット:「省エネルギー」「労働生産性の向上」「余暇の充実」など
デメリット:「労働時間が長くなる」「無駄な支出の増加」「健康への悪影響」など

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 北海道支部から3題が推薦論題となっておりますので、3+1=4題を最終論題候補とし、両支部及びネットで【共通論題】選定作業をご覧の方から投票して頂くことで、【共通論題】を選ぶことにいたします。

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